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頭痛専門外来

頭痛外来について

担当医:頭痛専門医 鈴木 博子

頭痛に悩んでいる方は多くいらっしゃいます。
当院の初診(初めて来院される)のうち、3分の1の患者さんは頭痛が主訴です。
毎日ある鬱々とした頭痛、時々のつよい頭痛、吐き気や嘔吐を伴う頭痛など、様々です。
頭痛は、一次性頭痛(脳や体に異常がない頭痛)と二次性頭痛(脳や体に異常があるために起こる頭痛)に分かれます。

二次性頭痛には、外傷や脳卒中、脳腫瘍、感染症、精神疾患などによる頭痛であり、そのなかでもくも膜下出血や下垂体卒中、動脈解離など、迅速な診断と治療が必要な、命にかかわる病気も含まれています。
まずは、二次性頭痛の可能性があるかどうか、問診を行い診察と検査を施行し、必要あれば入院や治療となります。

また、二次性頭痛が否定された場合には、一次性頭痛について正確な診断を行います。
一次性頭痛では、片頭痛や緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛などが挙げられます。

代表的な一次性頭痛

片頭痛;繰り返す、拍動性のつらい頭痛です。

男女ともに若い世代に、20~40歳台の女性がとくに多くみられます。頭痛の間は仕事や家事が手につかないことも多く、個人の生活だけでなく社会に与える影響も多大です。
頭痛には前兆がみられることがあります。前兆とは、片頭痛のおこる前60分以内に生じるもので通常5~60分持続します。目がチカチカするような視野異常は代表的な前兆です。
頭痛発作は拍動性(ズキンズキン)が多く、軽度のこともあれば、中等度から重度のひどい頭痛の場合もあります。
市販薬や通常の痛み止め(消炎鎮痛剤)で効果のないこともあり、中等度以上の頭痛はトリプタンやジタンなどの片頭痛治療薬が勧められます。
また、頭痛発作が月に複数回ある場合には、発作を予防する治療が適応となることがあります。経口内服薬や注射剤があります。とくに、注射剤(CGRP関連製剤)を用いることで片頭痛の頻度や程度が軽くなり、日常生活への支障の改善が期待できます。

                                           
製品名 エムガルティ アジョビ アイモビーグ
一般名 ガルカネズマブ フレマネズマブ エレヌマブ
作用機序 抗CGRP抗体 抗CGRP抗体 抗CGRP受容体抗体
用法 皮下注射 皮下注射 皮下注射
頻度 初回のみ2本
1か月ごと 1本ずつ
4週間ごと 1本ずつ
あるいは
12週間ごと 3本ずつ
4週間ごと 1本ずつ
在宅注射

緊張型頭痛;一次性頭痛のなかで最も多く、全体の約2割の方が自覚している頭痛です。

頭部から頚部にかけての筋肉が緊張し、痛みの神経が過敏になることで起こるとされています。
生活習慣や運動療法を施行しても生活に支障をきたす場合には、治療が必要です。
鎮痛剤の使いすぎは、薬剤の使用過多による頭痛を発症する可能性があり注意が必要です。予防療法として、抗うつ剤などの内服を使用することもあります。

三叉神経・自律神経性頭痛;群発頭痛や片側頭痛などが挙げられます。

群発頭痛の場合には、きわめて重度の片側の目周囲の痛みと、自律神経症状(流涙、鼻漏など)が、短時間に何度も繰り返す頭痛です。トリプタン製剤や酸素治療が施行され、予防内服薬を使用することもあります。
片側頭痛は、インドメタシン製剤が有効とされています。

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